世田谷アートフリマ vol.16 会場レポート-03

「やがて世界を翔けるデザインに出会う。心をつなぎ、伝えていくために」
革作家 Hoppendakkoさん

心沸き立つようなイタリアンカラーの組み合わせ、シルエットにも異素材との組み合わせにも遊び心あふれる作品が並ぶのはHoppendakkoさんのブースです。皮はイタリアのものを中心に、フランスのものも用いながら、強度のよい糸はアイルランドから。軽妙な印象とは裏腹に、吟味された素材と1点1点すべての工程に手仕事が加えられて仕上がる作品は確かさと使い心地のよさが得られます。

私がはじめて作品を拝見したのは昨年の世田谷アートフリマでのことでした。その日も一日中お客さんが絶えず、なかなかお話をうかがう機会が得られなかったため、その後梅ヶ丘にあるお店に直接足を運びました。もともとイベントに出展されたのもアートフリマが初めてだったそうで、いろいろな出会いがあり、お客さんの声が聞ける貴重な場なのだそうで、どんなに忙しくても可能なら出展し続けたいそうです。

「ウナギイヌ」の尻尾をモチーフとしている驚きの『UNAGI』。ボールペンは替芯でずっとお使いいただけます。

この日はお弟子さんとともにブースを切り盛り。「制作していくには反復が必ず必要だけれど楽しみながら覚えて欲しい」と、いくつかお弟子さんに任せた作品も出品。教室もされているそうで、制作だけではなく、皮作品のよさやつくる楽しさを伝えられています。

そんなHoppendakkoさんが今年制作の合間を縫って参加されたのが「着物コモノ連」。10人の作家によって手がけられるのは、愉しむ着物を演出する和装小物。年1回の展示のため、ジャンルの異なる作家たちが意見交換しながら、イメージを重ねていくことで展示をつくり上げています。

ColoBag(オーダーのみ)。着物コモノ連の展示のために制作された作品。帯留めが色どりを添えるバッグは革製品が和装に合うことを強く感じさせてくれました。

「いつかは自分の作品を世界に認められるようになりたいと思っています。そのためにまず自分のバックグラウンドとなる『和』について学びたいと思いました。その伝統と和装についての理解を土台としながら、既成の概念を打ち破るようなデザインをしていきたいです。」そう力強く語る姿からは、やがて世界を驚かす瞬間を予感させられました。

【出展者情報】
Hoppendakkoさん http://hoppendakko.com/
着物コモノ連 http://ameblo.jp/kimonokomono/

(ライター:手づくり市マップ)